今回のプロジェクトで一番大切に思っている写真です。義雄さんっていうおっちゃんスタッフ(70代)がいます。定年退職後にパートで手伝ってくれています。どんな仕事も「あ゛いよー!」の二つ返事。明るくて声がデカいので阿部梨園のムードメーカー。全員が義雄さん大好き。義雄さんも「オラこの仕事が好きだ」といつもちゃんと言ってくれる。たまに若手スタッフにタバコの無心をします。
2015年当時、僕と阿部さんで改善ネタを出しまくりつつ、さらに現場スタッフからも拾い上げようとしたとき、若手でもまだとまどいがありました。だから年配スタッフには負担かなと思ってほとんど声もかけなかったのに、、、この一番大切な写真は、義雄さんがいきなり持ってきた作業場レイアウトの改善アイデア。丁寧な図面つき。「オラも考えてきたっペ!」って恥ずかしそうに差し出してくれた。定規使う感じのキャラじゃないぢゃん。。
惜しくも不採用だったんだけど(別のいい案が出たww)、この図面は嬉しくて涙もので捨てられなかった。70代のおっちゃんにもここまで伝わって、目の前のことを変えようとしてくれたんですよ。義雄さん自身も変わっちゃった。しかもビジュアルで訴える必要性まで教えてくれた。
うちの義雄さんでもできるんだから、プロ農家なら全員できます!!それが言いたくて本人の許可も取らずにこの話を持ってきました。
『考えるって楽しい!と思う農家を増やしたい』が今回のプロジェクトで一番言いたいこと。
そのために知恵袋を作ります。まず情報コストをゼロにします。
ノウハウ単体は大したものではありません。品目や形態が違えば適用できないことも多いです。伊東家の食卓みたいな目からウロコものばかりでもないです。
それよりも、阿部梨園の過去の思考、過去の判断をトレースしてもらうことに価値があると思っています。なんでそこに着目したのか、数ある選択肢からなぜその策を選んだのか。
予算ゼロで簡単にできそうなことから試しにやってみたらいいと思います。小さいところにアハ体験があります。自分で見つけたアイデアって本当に本当に抱きしめたくなりますよ。。
というか手はじめにクラウドファンディングで仲間になってください^q^
https://camp-fire.jp/projects/view/50853
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一次産業も知的生産が必要だです。それは大げさなことではなくて、ITや学問や専門家がなくても、まずは目の前のことからです。
考え続けることは難儀です。自分に真正面から向き合うことが最もハイカロリーだと阿部も言っています。逆に言えばボトルネックはそこだけです。
で、1人で考えるのは疲れるし続かないから、ダイエットと一緒で、多少のインセンティブが必要です。まずは小規模からかもしれませんがコミュニティを作りたいと思っています。手伝ってくれる人も集まりそうです。
知恵袋だけでは解決できないことは知り合いや近くの専門家と協力してください。僕たちにできることがあれば、(有料かもしれませんが)声をかけてください。
ちなみに、阿部梨園の現場作業のマイナーチェンジは、既にほとんど僕のところへ報告が上がってきませんし、もはや僕もそこまで捕捉しようとしていません。現場班だけで勝手に自走しています。阿部さんはもちろん、20代半ばの現場リーダーにも課題解決スキルを仕込んでいます。だから本当は数えたら500件も超えているのだと思います(たぶん)。
この写真は2014年の幸水繁忙期終了の打ち上げで、僕の阿部梨園での実質デビュー日。何も手伝ってないのに打ち上げに混ざる、この気まずさを乗り越えた自分をほめたい。このじっちゃんたちのどうでもいい話(栃木なまり)から抜け出せないテーブル角の席で、天外魔境に来てしまったと思った。隣の席の曽我さんも日が浅くて何も話してくれなかったしw